今回は、ボーカルエディットについて深掘りです。
「ボーカルエディットの仕事に興味ある」という方は必見!
ボーカルエディットの仕事をするために必須と感じている知識を書いていきます。
記事筆者「あいとも」が、アニメ作品やサブカル作品のボーカルエディットの経験を基にした解説記事です。
考え方に多少の偏りがありますので、その点はあらかじめご了承ください。
今回の記事はこんなこと書いてるよ
・何のためにボーカルエディットをするのか?
・ボーカルエディットは、なぜProtoolsが必須なのか?
・プロのリズム補正は波形編集で完結する?
・ボーカルエディットに必須なピッチ補正ソフトは?
・ノイズ除去はどのくらいできたら良いのか?
ボーカルエディットとは
ボーカルエディット
歌に関わる制作では『ボーカルエディット』と呼ばれる工程があり、
歌のリズム補正・ピッチ補正など、mix前に必要な歌の編集を『ボーカルエディット』と呼んでいます。
「歌ってみたmix」でも同様に、ボーカルエディットは行われていて…
例えば「歌ってみたmix」では『歌の録音→ボーカルエディット→mix』の順で音源を完成させていきます。
以前書いた「ボーカルエディットとは」という内容の記事より引用です。
「ボーカルエディットとは」どのような工程なのか!?
詳しく興味ある方は、合わせて読んでみてください♪
何のためにボーカルエディットをするのか?
ボーカルエディットでは、主に歌のリズムやピッチを補正します。
時代やジャンルによって、考え方の違いはあるのですが。
例えばリズムやピッチがズレていると、歌が浮いて聴こえたり違和感につながるでしょう。
リズムやピッチの不安定さなども含め、違和感をなくす目的で行われます。
ボーカルエディットが不要な場合はある?
歌の録音は、限られた時間の中で可能な最高のレコーディングをします。
そこで100点という判断を下されれば、不要になることがあるかもしれませんね。
しかし、どんなに歌が上手くても多少のズレや細かなこだわり・違和感がでてくるのではないでしょうか?
そういったズレの微調整・補正のために、ボーカルエディットが行われます。
録音とボーカルエディットで『最終的に100点の歌にする』
というのが現代の時代の流れに沿った考えです。
ボーカルエディットにProtoolsが必須な理由
ボーカルエディットの仕事では、主に4つのソフトを使えることが必須で求められる傾向にあります。
必須なソフトのうちの一つが、DAW「Protools」です。
多くの優秀なDAWが流行する中、なぜ「Protools」が必須なのか?
その理由を書いていきたいと思います。
制作進行をスムーズにするため
昔からのスタジオ定番のDAWが「Protools」というのは有名な話ですね。
レコーディング→ボーカルエディット→ミックス
例えば上記の流れを、限られた時間の中でスムーズに制作進行しなくてはいけません。
Protoolsでレコーディングされるので…。
もし ボーカルエディット担当者がProtoolsを使えない場合、必要なデータを書き出したり用意する手間が発生してしまいますね。
書き出し不備も起こる可能性あるし、毎回やっていてはかなり大変です。
限られた時間の中で効率を重視されるため「Protools」が採用される傾向にあると思います。
データ管理や操作のわかりやすさ
Protoolsでセッション(プロジェクト)作成すると、指定の保存場所にフォルダが生成されます。
そのフォルダの中には、上記のような形式でわかりやすくデータが作成されて。
Audiofilesはセッションに読み込むオーディオを入れたり、録音したオーディオが保存されたりします。
操作面も含めて、そのまんまの意味で捉えて触っていけば使える印象です。
他社のDAWと大した差はないとは思うんですけど^^;
「地味だけどProtoolsわかりやすいな」という印象です。
波形のわかりやすさ
ボーカルエディットの仕事で、Protoolsが必須な1番の理由が「波形のわかりやすさ」です。
後述する、ボーカルエディットにおけるリズム補正に関係するのですが。
ボーカルエディットの仕事では、必須技術として波形編集を駆使したリズム補正を求められます。
可能な限り波形編集のみでリズム補正を完結させることを求められるので、Protoolsのような「波形のわかりやすさ」が大事なんですよ!
プロのリズム補正は波形編集で完結する?
プロ(ボーカルエディット専業)が行う歌のリズム補正は、(特殊な例外を除き)波形編集で完結させることがほとんどな印象です。
筆者は2018年以降、細かなリズム補正から語尾の長さ調整・母音子音の調整含め すべて波形編集で行っています。
これからボーカルエディットの仕事に興味ある方は、波形編集を駆使したリズム補正を覚えて慣れておくと良いでしょう。
ピッチ補正ソフトを使用したリズム補正について
主にMelodyneを使用しての歌のリズム補正。
作編曲家の方やmix師・フリーエンジニアの方たちを中心に、流行っている手法です。
『波形編集では〇〇ができない』『Melodyneでは〇〇ができない』というのは、どちらもやってきている身としてはほぼありません。
少々偉そうな言い回しになってしまい恐縮ですが、、
ボーカルエディット専業立場からの評価としては、補正ポイントの多い歌の場合の音質面は『波形編集>Melodyne』になる印象です。
Melodyneで補正した歪みや微妙な周波数変化が気になってしまう場合が多くて…。
とはいえ、Melodyneを使用してリズム補正された音が全部悪いってことはないのでご安心を…!
『Melodyneを使ってリズム・ピッチを補正する手法』によって、音楽的に綺麗な補正は もちろん可能ですよ!
メジャーなアニメ作品でも、作曲家がそのまま仕上げる場合のキャラクターソングなど、Melodyneでリズム補正している楽曲たくさんありますからね。
mix師の方やフリーエンジニアをしている方などは、クオリティーが保たれる(クライアントが満足する)のであれば、誰かが『音質悪い』など言っていても気にしなくて良いのではないでしょうか。
補正スピード(かかる時間)やボーカル本数の多いデータにおいては、Melodyneが圧倒的に時短ですから!
ちなみに、主旋律は波形編集・ハモリやコーラスはMelodyne というようにボーカルエディットしていくことはあります。
ボーカルエディットに必須なピッチ補正ソフトは?
ボーカルエディットの仕事をするのに、必須なソフトが4つあると書きました。
1つはDAW「Protools」でしたね。
残り3つのうちの2つがピッチ補正ソフト!
「Melodyne」と「Autotune」が必須なソフトなんです。
2023年最近は、『「Autotune」必須で「Melodyne」も使えたら助かる』という傾向にあると思います。
スタジオや会社ごとに求める条件も違うので、「Autotune」「Melodyne」の両方を使えると『仕事をとりやすい』でしょう。
SynchroArts ( シンクロアーツ ) / Revoice Pro 4
SynchroArts ( シンクロアーツ )のRevoice Pro 4というソフトをご存知でしょうか?
ダブルトラックのピッチ補正用・生成に活躍するピッチ補正ソフトとして、注目を集めています。
とにかくボーカルエディットの効率・技術を極めていきたい方向けのソフトです。
必須で求められることはないですが、ボーカルエディットの仕事をしている方の間では秘密道具として活躍していますね。
他、同社のRePitchなど!
ボーカルエディットの仕事仲間、音楽関係者の間で密かに話題になっているソフトです。
ボーカルエディットのノイズ除去はどのくらいできたら良いのか?
歌のノイズ除去 / これできたらOK
・波形を書き換えによるリップノイズを除去
・タ行・カ行などのポップや破裂音の加減調整
・iZotope RXによる各種ボーカルノイズ除去
ボーカルエディットの仕事で必須なソフトの4つめが、ノイズ除去ソフト「iZotope RX」です。
クライアントから「iZotope RXが必須」と言われることはほぼないんですけど。
波形編集で除去できないような、除去しづらいノイズ除去を求められることが増えた気がします。
歌のノイズ除去に役立つ記事
過去に「歌のノイズ除去」に関する記事を書いています。
歌のノイズ除去に興味ある方は、合わせて読んでみてください♪
まとめ
まとめ
・ボーカルエディットの仕事に必須なソフトは4つ
Protools,Autotune,Melodyne,iZotopeRX
・ボーカルエディットの仕事のリズム補正の基本は波形編集
ボーカルエディットの仕事について、かなり深掘りしました。
ボーカルエディットは、インターネットに情報少なくて…。
多少偏りは出ますが、音楽の他業種と比較しても劣らないくらいに情報が溢れるようにしたいですね。
アニメ業界でボーカルエディットを専業に仕事している数少ない一人として、情報発信も時間作って頑張っていければと思います。
mix師としての活動も継続して頑張っていますので、ぜひ「あいともすたじお」を贔屓にお願いします♪
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クライアント様一人一人に合わせた、丁寧な対応を心がけております。
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